A Weekend in the ISLE

週末の天王洲アイル。

KAZESORA 〜風空〜 No.3 ※こちらの記事は2014年9月27日の記事です


初秋の週末どうお過ごしですか?暑かった夏も終わり、秋の香りを乗せた爽やかな風が、今日もやさしく頬を撫でる天王洲アイル。皆さんは、週末をどうお過ごしですか? ついつい仕事ばっかりになっていませんか?

それは去年までの僕の話……。


 思い返すとちょうど一年前の夏、このフリーマガジン「風空」もまだ存在しないころの話になるが、8月上旬の土曜日正午、ある雑誌の撮影のロケハンで、立ち寄ったのが、ここ天王洲アイルだった。

 東京モノレール「天王洲アイル」駅を降りてシーフォートスクエア側のボードウォークを歩ていると、運河のゆらぎと心地良い風にすっかり癒やされていた僕は、それ以来ロケハンと言っては週末の天王洲アイルに足を運び、小説を片手に仕事をサボっていたことは、ここだけの話……。

 海岸通りを渡り天王洲ファーストタワー側のボードウォークに移動すると、ふれあい橋の方からやきとりの香ばしい香りと微かに聞こえる音楽が聞こえてきた……。その音色と香りに導かれるように音の鳴る方へ向かうと、そこで遭遇したのが「ボンドストリート夏フェス2013」だった。

ここにしかない週末。

 2回目の開催となる今年の「ボンドストリート夏フェス2014」は8月1日(金)、2日(土)の2日間にわたり開催され、述べ1万人を超える来場者がボンドストリートを熱気で埋め尽くし、大盛況を呼んだ。

 1日目はウォーターフロントの景色を水上から眺められる「天王洲クルーズ」や華麗なラテンムードいっぱいの「サンバカーニバル」。2日目は昔なつかしい「縁日」や子どもたちにうれしい「キャラクターショー」など2日間通して仕事帰りのサラリーマンからファミリーまで、みんなが笑顔になれる楽しい週末の時間が流れていた。

土曜日の朝は早起きする価値がある。

 ボンドストリートで月に1〜2回、定期的に開催されているのが「ボンドストリートマルシェ」だ。マルシェで販売される新鮮な野菜や果実たちは、「NEO-FARMARS!」によって東京で朝獲れたばかりの瑞々しいものばかりがならんでいた。

 他にも移動式本屋「BOOK TRUCK」や家族で楽しめる「WORKSHOP」の出展、品川船清による東京名所巡りができる「クルーズ船」が出航したり、土曜日の朝から天王洲アイルならではのスローで気持ちいい時間を楽しむことができた。

東京NEO-FARMARS! とは

東京都農業会議を通じて東京都内で就農を「実現した人」「目指す人」「応援する人」が集まり、発展した団体。直売や新規就農の相談などに取り組むほか、農地の貸し借りや相続問題などについても助言や調整を行い、営農活動における行政の補助機関として活動している。

http://tokyo-neo-farmers.com

 

金曜の仕事帰りに非日常な体験を

 テラトリアは、「世の中のすべての伝えたいことを、自由に表現、発信していく場」として、天王洲アイルに誕生したクリエイティブ・スペース。この新たなアートの発信の場で先日開催されていたのが、寺田倉庫主催のイベント「Samurai Arts@TERRADA」だ。

 桜月流美剱道の師範による剱振りの稽古では、なんと実際に日本刀を握り様々な剱の構え方、剱の振り方を教わることができた。

 今回のテーマは「肚」。腹部にある交感神経中枢は精神的に強い刺激を受ける。その意味から、「肚」は身体のみならず、精神的に「人間の中心」という昔の侍の象徴だったそうだ。

 袴を着て、侍の文化を教わり、日本刀を振りかざす。これが僕が体験した天王洲アイルでの非日常な週末。

 一年前、「週末は仕事かなぁ」なんて調子よさげにボヤいていたころの僕にひと言いってやりたい、“肚をくくれよ”って。

桜月流美剱道

桜月流美剱道の美剱舞はヤマト歌と剱振りによって互いの心を結い和し生命力にあふれた調和を生み出す技芸だ。400年の空白の時を経て、「能」「歌舞伎」に次ぐ芸道として、新たに現れた日本文化。それが、桜月流美剱道。桜月流の美剱舞は、ヤマト歌の情感と剱振りの美しい軌跡と交錯のみをもってして日本の美しい風情を物語る技芸。

http://www.o-getsu.com

KAZESORA 〜風空〜 No.3

2014.09.27.の記事です。

Text & Design:Shigekazu Katsumata 勝又シゲカズ BTTB inc.

Photographer:Soichiro Kosuga 小菅聡一郎

KAZESORA〜風空〜

ウォーターフロント「天王洲アイル」から発信するライフマガジン『KAZESORA〜風空〜 』☆ 現在No.7発行中!! 表紙を飾っていただいたのは女優の中山エミリさんです☆